【Premiere Pro】プロキシを使って快適に動画編集をしよう
どうも、YUです。
今回は、Premiere Proの動画編集を快適にするプロキシについて解説します。
- 動画編集を快適にしたい
- 動画を再生しただけでPCが重くなったり、クラッシュする
解像度の高い動画を再生すると、PCが重くなって作業できなくなる方必見です。
フルHD動画の再生が重くなる方は、4K動画にもなると再生するだけでクラッシュすることがあると思います。
今回解説するプロキシを使うことでPCの負担を少なくすることができ、この記事を読めばだれでも簡単にできるので、ぜひやってみてください。
さらに快適に動画編集をしたい方は、下の記事もご覧ください。
プロキシとは
プロキシは、容量の重いファイルの代わりに『プロキシファイル』という軽量のファイルを生成し、オリジナルの動画ファイルの代わりに編集できる機能です。
このプロキシにはいくつかのメリットとデメリットがあります。
以下の表で確認してみましょう。
このようにメリットとデメリットがありますが、PCの負担が減り、快適に編集できるようになるのでやっておいた方がいいでしょう。
特に4K以上の動画を編集する際には効果が絶大です。
エンコードする時間はかかりますが、それを除いてもプロキシを使う価値はあると思いますので、ぜひ試してみてください。
プロキシの設定方法
プロキシの使い方は覚えればとても簡単にできますので、ぜひやっておきましょう。
動画素材を選択
プロジェクトパネルから動画素材を右クリックして、メニューが出てきたらプロキシ→プロキシを作成をクリックしてください。
新たにプロキシを作成ダイアログは表示れます。
プロキシファイルの詳細を設定
プロキシを作成ダイアログが表示されたら、『プリセット』と『保存先』を設定してください。
プリセット
Premiere Pro 24.2からプロキシの作成ダイアログのプリセットが変更になりました。
Premiere Pro 24.2以前と以降の設定方法を掲載しておきますので、対象バージョンを確認して解説を見ましょう。
Premiere Pro 24.2以降
プロシキを作成ダイアログから、『フレームサイズ』と『プリセット』を設定してください。
ここでは、ファイルサイズやPC負担を決めることができますが、初期設定でも特に問題はありません。
フレームサイズ
『フル画質』『1/2』『1/4』『カスタム』から選択して、プロキシの解像度を設定してください。
オリジナルの解像度から下げることができますが、画質が悪くなるので作業内容によって適宜設定しましょう。
『カスタム』を選択した場合は、自身で解像度を決めることができます。
プリセット
以下のプリセットから選択してください。
基本的にPCの負荷が少ない『ProRes QuickTime プロキシ』のプリセットがおすすめです。
『DNxHR VR』は用途がVR用なので、VR動画を作成するときに使用しましょう。
その他のプリセットの詳細も掲載しておくので参考にしていただけたらと思います。
プリセット | 詳細 | ファイルサイズ | PC負荷 | 画質劣化 |
---|---|---|---|---|
ProRes QuickTime | Appleで開発された動画圧縮の規格 | H.264 QuickTimeより大きい | 低い | 大きい |
H.264 QuickTime | QuickTime用H.264 | ProRes QuickTimeより小さい | 普通 | 普通 |
H.264 MP4 | 広く普及してる動画圧縮の規格 | H.264 QuickTimeより大きい | 普通 | 普通 |
CineForm QuickTime | QuickTime用Cineform | 大きい | 高い | 少ない |
プリセット | 詳細 | ファイルサイズ | PC負荷 |
---|---|---|---|
DNxHR VR Monoscopic QuickTime | 主にVR用 | かなり大きい | 高い |
DNxHR VR 立体視 QuickTime | よりリアルなVR用 | Monoscopicより大きい | かなり高い |
Premiere Pro 24.2以前
Premiere Pro 24.2以前のプロキシを作成ダイアログは以下の画像のようになっています。
プロシキを作成ダイアログから、『形式』と『プリセット』を設定してください。
ここでは、ファイルサイズやPC負担を決めることができますが、初期設定でも特に問題はありません。
形式
『H.264』と『QuickTime』から選択してください。
2つの違いは、ファイル圧縮率とPCの負荷になります。
H.264は『ファイルサイズを抑えたい方』、QuickTimeは『軽量な編集をしたい方』におすすめです。
形式 | 詳細 | ファイルサイズ | PC負荷 | 画質劣化 |
---|---|---|---|---|
H.264 | 広く普及してる動画圧縮の規格 | 小さい | 高い | 少ない |
QuickTime | Apple社が提供している動画のファイル形式 | 大きい | 低い | 大きい |
圧縮率が高いほどファイルサイズは小さくなりますが、動画再生時に圧縮を元に戻すためにPCの負荷が高くなります。
※厳密に言うとH.264はコーデック、QuickTime(.MOV)はコンテナになりますが、解説すると長くなるので省略させていただきます。
プリセット
『H.264』と『QuickTime』は別のプリセットになりますので分けて解説します。
基本的にPCの負荷が少ない『QuickTime』のプリセットがおすすめです。
H.264
以下のプリセットから選択してください
違いは解像度で、『Low』『Medium』『High』の順に解像度が高くなります。
解像度が低いほどPCの処理は軽くなるので、動作を優先する方は『Low Resolution Proxy』、解像度を優先する方『High Resolution Proxy』、バランスを取りたい方は『Medium Resolution Proxy』を選択しましょう。
プリセット名 | レベル | 解像度 |
---|---|---|
H.264 | Low Resolution Proxy | 1024×540 |
Medium Resolution Proxy | 1280×780 | |
High Resolution Proxy | 1536×790 |
QucikTime
以下のプリセットから選択してください
基本的には『ProRes』がおすすめです。
※ProResはアップルで開発されたコーデックでWindowsなど幅広くサポートされています。
違いは使用用途と解像度になります。
『ProRes』と『CineForm』は通常用途です。
『DNxHR VR』は用途がVR用なので、VR動画を作成するときに使用しましょう。
解像度が低いほどPCの処理は軽くなるので、動作を優先する方は『Low Resolution Proxy』、解像度を優先する方『High Resolution Proxy』、バランスを取りたい方は『Medium Resolution Proxy』を選択しましょう。
その他のプリセットの詳細も掲載しておくので参考にしていただけたらと思います。
プリセット名 | 詳細 | レベル | 解像度 |
---|---|---|---|
ProRes | 画質劣化が大きい H.264よりもファイルサイズが大きい | Low Resolution Proxy | 1024×540 |
Medium Resolution Proxy | 1280×780 | ||
High Resolution Proxy | 1536×790 | ||
CineForm | 画質劣化が少ない ProResよりファイルサイズが大きい | Low Resolution Proxy | 1024×540 |
Medium Resolution Proxy | 1280×780 | ||
High Resolution Proxy | 1536×790 |
プリセット名 | 詳細 | レベル | 解像度 |
---|---|---|---|
DNxHR VR | VR用 | Monoscopic Proxy | 2048×1024 |
Stereoscopic Proxy | 2048×2048 |
プロキシの保存先
プロキシファイルを管理するためにも、プロシキ用のフォルダを作成して保存先を変更しておきましょう。
※初期設定では、『オリジナルメディアと同じ階層、プロキシフォルダー内』が選択されています。
右にある参照…を左クリックして、エクスプローラーが起動したら保存先フォルダを選択してください。
変更するとがになり、保存先のフォルダパスが設定されます。
Adobe Media Encoderで書き出し
プロキシの設定は終わったらOKをクリックしてください。
自動的にAdobe Media Encoder起動して、プロキシファイルのエンコードが開始されます。
※もし書き出しが始まらない場合は、右上にあるスタートボタンのようなものを左クリックしてください。
詳細はエンコーディングタブで確認できます。
キュータブに完了が表示されたらプロキシの作成は終了です。
青く表示されているフォルダーパスをクリックすることで、プロキシファイルが保存されているフォルダを開くことができます。
H.264形式を選択してエラーが出た場合、動画素材のオーディオチャンネルの起因によるものが多いです。
動画素材のオーディオチャンネルが4ch以上の場合、H.264形式はサポートされていません。
選択するとエラーが起きますので、QuickTime形式を選択してください。
プロキシの有効化
プロキシを作成だけでは使うことができないので、プログラムモニター下のツールからをクリックしてオンにしてください。
が青色になったらプロキシが使えるようになります。
もし、オリジナルファイルを表示したい場合には、をオフにしましょう。
有効化すると、プロジェクトパネルにあるクリップにも青色になったが表示されます。
プログラムモニターの右にある+を押して、ツールボックスにあるを下のエリアにドラッグ&ドロップすることで設置できます。
画質・パフォーマンス比較
プロキシを使用するとどのくらい画質が落ちるのか、PCパフォーマンスがどうなるのかを4K動画を使用して比較してみました。
※プロキシの設定はフレームサイズ・1280×720、プリセット・ProRes QuickTimeを使用しています。
まずは、全体画像の比較です。
この大きさだと、大きな画質の劣化は見られませんね。
次に一部拡大した画像の比較です。
オリジナルの4K動画は文字が潰れていませんが、プロシキを適用した動画は文字が潰れて見えなくなっていますね。
次は、PCのパフォーマンを確認してみましょう。
オリジナル
プロキシ(ProRes・1280×720)
CPUが66.2%から17.5%で約74%減、メモリが11,522.3MBから2,215.2で約81%減とどちらもPCの負担が減っていることが分かります。
※所有PC、データ、編集環境などによってPCのパフォーマンスは変化します。
このように、プロキシを使用すると解像度が下がる分、PCの負担は減りますが画質が低下して物や文字など潰れて見えなくなる可能性があるので、オリジナルの動画素材とプロキシをうまく使いながら作業しましょう。
以上、解説を終わります。
まとめ
Premiere Proのプロキシについて解説しました。
最後に、今回のおさらいです。
プロキシファイルの詳細を設定するのは大変ですが、一度覚えると動画編集が快適になります。
4K動画以上ファイルを扱う場合は、プロキシを毎回設定してもいいですね。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
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