【2024年版】After Effectsの環境設定を変更して快適に映像編集をしよう
どうも、YUです。
今回は、2024年版After Effectsの環境設定について解説します。
『とりあえず設定の変更だけしたい』という方のために、各設定の最初に操作方法を掲載しています。
機能を詳しく知りたい方は、アコーディオンをクリックして内容を確認してください。
- After Effectsを使いやすくしたい
- After Effectsの動作が重い
環境設定をしっかりしておくと、作業効率、操作性、パフォーマンスなどが格段に上がります。
ずっと使い続ける設定になると思いますので、自分に合った設定をしましょう。
必ずしもこの記事に記載している設定が良いとは限りません。
使っていて不便に感じたり、不具合等が生じた場合は設定をもとに戻しましょう。
まだAfter Effectsのインストールが完了していない方は以下の記事を参照してください。
環境設定の操作方法
編集 → 環境設定 → 各種設定のどれか1つを選択して、『環境設定』を開きます。
環境設定の左端ある項目から各種設定を変更することもできます。
設定を変更したらOKクリックして、忘れずに保存しましょう。
一般設定
After Effectsの動作のカスタマイズや使い勝手を向上させる設定です。
『初期設定の空間補完法にリニアを設定』『アンカーポイントを新しいシェイプレイヤーの中央に配置』を変更します。
初期設定の空間補完法にリニアを設定
にチェックを入れることで有効化できます。
初期設定の空間補完法にリニアを設定とは
キーフレームを付けた時に、空間補完法をリニア(変化が一定)に変更できる設定です。
初期設定ではキーフレーム間の動きがベジェ曲線(なめらかな曲線)になってしまいます。
なめらかの方がいいんじゃなかと思う人がいるかもしれませんが、自分の思った通りの変化にならなかったり、無駄な動作が入ったりするので変更しましょう。
ベジェ曲線は、指定した二点間を結ぶ滑らかな曲線のことです。キーフレーム間で不定の変化率を加えることができます。
リニアは、キーフレーム間を一定の変化率で補間を加えることができます。
アンカーポイントを新しいシェイプレイヤーの中央に配置
にチェックを入れることで有効化できます。
アンカーポイントを新しいシェイプレイヤーの中央に配置とは
新規レイヤーを作成したときに、アンカーポイントがオブジェクトの中心に配置できる機能です。
毎回アンカーポイントの配置が違うと、操作ミスが起きやすいので設定しておきましょう。
アンカーポイントは、中心の軸になる点です。
移動や回転、スケールの変更などはアンカーポイントを軸として行われます。
プレビュー
プレビューを高速化させる設定です。
『高速プレビュー』と『ビューアの画質』を変更します。
プレビューのみの適用されるので、最終レンダリングには影響はありません。
高速プレビュー
再生中の解像度とGPUの設定を変更して、プレビューを高速化するための設定です。
『適応解像度の制限』と『テクスチャメモリ』を変更します。
適応解像度の制限
適応解像度の制限: をクリックして、ドロップダウンリストから1/2~1/16の数字を選択してください。
分母の数が大きくなるほど、解像度が下がりパフォーマンが向上します。
適応解像度を使うには、コンポジションパネルのツールバーからをクリックして機能をオンにする必要があります。
高速プレビューの詳しい使い方を知りたい方は、下にある記事を参照してください。
適応解像度の制限とは
プレビュー中の解像度を動的に調整して、再生時のパフォーマンスを向上させる機能です。
重いエフェクトや解像度の大きいコンポジット(4K~)を使う時に、リアルタイムでのプレビューを高速化することができます。
テクスチャメモリ
GPU情報…をクリックして、『GPU情報』を開きます。
テクスチャーメモリの数字を自身のPCスペックに合わせて変更してください。
変更できたらOKをクリックして『GPU情報』を閉じます。
どれくらいにすればいいか分からない方は、GPUのVRAM容量の7割程度を割り当てるのがおすすめです。
テクスチャメモリとは
GPUがビデオフレームや画像などのテクスチャデータを処理する時に使用するVRAM(GPUに搭載されているメモリ)のメモリ量を変更して、パフォーマンスを向上させる機能です。
テクスチャメモリが不足していると、After Effectsのレンダリングやプレビューの速度が低下する可能性があり、特に3DレイヤーやGPUを多用するエフェクトを使用する場合、十分なテクスチャメモリが必要になります。
ビューアの画質
プレビュー画面の解像度や画質を調整するための設定です。
『ズームの画質』と『カラーマネジメントの画質』を変更します。
調整するための項目は、『速度を優先』『キャッシュされたプレビュー時以外、精度を優先』『精度を優先』の3段階あります。
項目 | 詳細 |
---|---|
速度を優先 | 必要に応じて解像度を自動的に下げてプレビューを表示 パフォーマンは向上、画質は低下 |
キャッシュされたプレビュー時以外、精度を優先 | キャッシュされていないフレームに対しては、『精度を優先』を使用し、キャッシュされたフレームではより高い解像度でプレビューを表示 キャッシュの内容によってパフォーマンス、画質が変化 |
精度を優先 | 高い解像度でプレビューを表示 パフォーマンスは低下、画質は向上 |
作業効率を上げたいなら『速度を優先』を選択しましょう。
最終レンダリングと同じように表示したいなら『キャッシュされたプレビュー時以外、精度を優先』または『精度を優先』を選択しましょう。
ズームの画質
ズームの画質: をクリックして、ドロップダウンリストにある『速度を優先』『キャッシュされたプレビュー時以外、精度を優先』『精度を優先』から一つ選択してください。
ズームの画質とは
ズーム機能を使用した時の画像の解像度や品質の変更できます。
カラーマネジメントの画質
カラーマネジメントの画質: をクリックして、ドロップダウンリストにある『速度を優先』『キャッシュされたプレビュー時以外、精度を優先』『精度を優先』から一つ選択してください。
カラーマネジメントの画質とは
カラーマネジメントを使用しているコンポジションやレイヤーを表示する時の色の正確性を変更できます。
メディア&ディスクキャッシュ
生成されたキャッシュを保存して、プロジェクトのパフォーマンスを向上させるための重要な機能です。
『ディスクキャッシュ』と『最適化されたメディアキャッシュ』を変更します。
ディスクキャッシュ
最大ディスクサイズキャッシュサイズの数字をPCの容量に合わせて変更してください。
キャッシュの保存先は、フォルダを選択をクリックしてエクスプローラーを開き、保存したいドライブにあるフォルダを選択することで変更できます。
HDDやSSDの容量が少ない場合は、パソコンがフリーズしたり、重くなったりする可能性があります。
その場合は、ディスクキャッシュサイズを減らすかディスクキャッシュを有効にするからチェックを外してください。
ディスクキャッシュとは
プロジェクトのプレビュー生成時にレンダリングされたフレームを一時的に保存する機能です。
プレビュー再生時にキャッシュされたフレームを読み込むことで、高速に再生することができます。
最適化されたメディアキャッシュ
After Effectsの効率を高めるため設計された機能です。
プレビューやレンダリングを高速化するための補助的な役割を果たします。
『データベース』と『キャッシュ』の保存先を変更します。
データベースとキャッシュをクリーンは作業中にクリックしないようにしましょう。
After Effectsの動作に不具合が起きる可能性があります。
データベース
データベースの保存先の変更は、フォルダを選択…をクリックしてエクスプローラーを開き、保存したいドライブにあるフォルダを選択することで変更できます。
データベースとは
キャッシュされたファイルの情報を追跡し、管理するための機能です。
キャッシュファイルの効率的な管理とアクセスを可能にすることで、必要なキャッシュファイルを素早く見つけ出し、プレビューやレンダリングを高速化できます。
キャッシュ
キャッシュの保存先の変更は、フォルダを選択…をクリックしてエクスプローラーを開き、保存したいドライブにあるフォルダを選択することで変更できます。
キャッシュとは
画像、動画、その他ファイルなどのメディアファイルの一部データを一時的に保存する機能です。
一部データを保存することで、メディアファイルの読み込みと応答性を向上させます。
自動保存
プロジェクトファイルの自動保存に関連する設定です。
『保存の間隔』と『自動保存の場所』の項目を変更します。
保存の間隔
初期設定では保存の間隔は有効になっています。
保存の間隔の数字を変更してください。
プロジェクトファイルを増やしたくない方は、30分程度に変更しておきましょう。
保存の間隔とは
プロジェクトファイルを自動保存する間隔の時間を変更できます。
自動保存の場所
フォルダを選択…をクリックしてエクスプローラーを開き、保存したいドライブにあるフォルダを選択することで変更できます。
基本的に『プロジェクトの横』で大丈夫です。
容量に不安がある方などは、『ユーザー定義の場所』を選択しましょう。
自動保存の場所とは
自動保存されたプロジェクトファイルを保存する場所を変更できます。
メモリとパフォーマンス
パフォーマンス最適化のためのメモリとCPUプロセッサの使用方法に関連する設定です。
『メモリ』と『パフォーマンス(マルチフレームレンダリング)』を変更します。
メモリ
他のアプリケーション用に確保するRAMの数値を変更してください。
システムに搭載されているRAMの2割から3割程度割り当てるのがおすすめです。
他のアプリケーション用に確保するRAMが少なすぎるとWindowsのシステムが不安定になったり、多すぎるとAfter Effectsのパフォーマンスが低下してしまいますので、自身のPCに合わせて変更しましょう。
メモリとは
After Effectsで使用するRAM(メインメモリ)の量を指定することができます。
パフォーマンス(マルチフレームレンダリング)
にチェックを入れることで有効化できます。
※After Effectsのバージョンによっては、デフォルトでマルチフレームレンダリングが有効になっている場合があります。
他のアプリケーション用に確保するCPUの%の数字を変更してください。
CPUの性能が低い方は20%程度、高い方は10%(デフォルト)程度がおすすめです。
他のアプリケーション用に確保するCPUの%が少なすぎるとWindowsのシステムが不安定になったり、多すぎると有効時のレンダリング速度が低下するので、自身のPCに合わせて変更しましょう。
マルチフレームレンダリングに対応していないプラグイン等を使用すると、逆にレンダリング時間が増加する可能性があります。
使用する時は、プラグイン等が対応しているか確認しておきましょう。
パフォーマンス(マルチフレームレンダリング)とは
複数のCPUコアを利用して、一度に複数のフレームを処理することにより、レンダリング時間を大幅に短縮することができる機能です。
CPU のコア数が多いほどレンダリングのパフォーマンスが向上し、コンポジションのレンダリング速度を1.2倍から4倍高速化することができます。
スクリプトとエクスプレッション
スクリプトの実行やエクスプレッションの使用に関連する設定です。
『スクリプトによるファイルへの書き込みとネットワークへのアクセスを許可』の項目を変更します。
スクリプトによるファイルへの書き込みとネットワークへのアクセスを許可
を入れることで有効化できます。
外部のスクリプトファイル(.jsxファイル等)をAfter Effectsで直接実行する際に必要になります。
セキュリティの観点から、スクリプトを使うときのみ有効にしておくことをおすすめします。
スクリプトによるファイルへの書き込みとネットワークへのアクセスを許可とは
外部のスクリプトがコンピュータ上のファイルに書き込みを行ったり、インターネット上のリソースにアクセスしたりすることを許可する機能です。
スクリプトは、作業の自動化やユーザーインターフェースのカスタマイズ、アニメーションの作成などができます。
便利になる機能ですが、その反面セキュリティリスクが高まることにも注意が必要です。
ファイルシステムやネットワークリソースにアクセスすることができるようになるため、信頼できないスクリプトは使用しないようにしましょう。
以上で解説を終わります。
まとめ
After Effectsの環境設定の解説になります。
最後に、今回のおさらいです。
After Effectsを初期設定のまま使うのは、とってもったいないです。
環境設定を変更することで、操作性やパフォーマンスを向上させることができます。
この記事を参考にして、ご自身にあった環境設定にしていきましょう。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
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