【Premiere Pro】動作が重くなった時に試すべき5つの対策

動作が重くなった時に試すべき5つの対策記事のアイキャッチ

どうも、YUです。

今回は、Premiere Proで動作が重い、フリーズ、クラッシュする時にやるべき対策を解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • Premiere Proを起動しただけでPCが重たい
  • PCがよくカクついて作業にならない
  • エフェクト・トランジションを適用したらアプリががクラッシュした

皆さんは、動画編集中にこのようなことが起きたことはないでしょうか。

特に、スペック不足のPCで動画編集するとカクついたり、最悪Premiere Proがクラッシュして編集した動画が無駄になるなんてことも。

高スペックなPCを買い替えれば問題は解決しますが、なかなかできないですよね。

その前に、誰でもできる動作を改善する以下の対策を5つ紹介します。

動作を改善する5つの対策
  1. ビデオレタリングの設定:レンダリングをGPUに変更して処理を高速化
  2. メモリ配分を変更:メモリー配分を変更してパフォーマンスを安定化
  3. メディアキャッシュの管理と削除:キャッシュファイルを管理・削除してパフォーマンスを向上
  4. 再生時の解像度を調整:プレビュー解像度を下げて、再生パフォーマンスを向上
  5. プロキシの活用:プロキシを活用してPCの負担を軽減

以上の対策を行うことで、スペック不足なPCでもPremiere Proで編集ができるようになるかもしれません。

この記事はPCスペックが不足している方に限らず、動画編集のパフォーマンスを向上させたい方にもおすすめなので、ぜひ試してみてください。

では、やっていきましょう。

以下の記事も一緒に読むと、Premier Proがさらに快適になります。

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目次

設定を変更する前に確認すること

設定を変更する前に、以下の4つを確認しましょう。

Premiere Proの最小・推奨スペック

Premiere Proはバージョンアップするごとに、機能が追加され高機能化しています。

それに伴い、PCの要求スペックも年々上がっていますので、自分のPCが最小・推奨スペックに達しているか確認をしましょう。

Adobeが公表している最小・推奨スペックの詳細はこちらのリンクから。

Premiere Proの解説で使用しているノートPCのスペックを参考程度に載せておきます。

ノートPCスペック
CPUIntel(R) Core(TM) i7-8750H CPU @ 2.20GHz (6cores/12threads)
メモリーSK Hynix DDR4-2666 (1333 MHz) 16GB × 2
GPUNVIDIA GeForce GTX 1070 with Max-Q Design
システム用SSDSilicon Power P34A80シリーズ 1TB
保存用SSDKINGSTON RBUSNS8154P3512GJ 512GB
OSMicrosoft Windows 11 Home 64-bit
ノートPCのスペック表

所有PCのスペック確認方法

この項目はWindowsOSのみ解説になります。

PCスペックを確認する方法を3つ解説します。

Windows標準搭載されているもので確認できますので、別途アプリ等をインストールする必要はありません。

この項目はWindowsOSのみ解説になります。

PCスペックを確認する方法を3つ解説します。

Windows標準搭載されているもので確認できますので、別途アプリ等をインストールする必要はありません。

DirectX診断ツールから確認

Rを押して『ファイル名を指定して実行』を起動してください。

dxdiagと入力してからOKをクリックすると、『DirectX診断ツール』を起動することができます。

ファイル名を指定して実行ウィンドウからdxdiagを入力

DirectX診断ツールの各タブをクリックすることで詳細を確認できます。

システムタブからはCPUやメモリーの詳細、Windowsバージョンの確認、ディスプレイタブからGPUの詳細を確認しておきましょう。

タスクマネージャーのパフォーマンス欄から確認

CTRL+ALT+DELETEを押して、『タスクマネージャー』を起動してください。

タクスマネージャーの左端にあるパフォーマンスタブをクリックすると、パフォーマンス欄から各項目を確認できます。

タスクマネージャーからPCスペックを確認
Windows設定から確認

Windows設定(アイコン)をクリックして、『設定』を起動してください。

確認項目によって操作が違いますので、それぞれの操作方法を解説します。

タブをクリックすると表示が変わります

システムバージョン情報をクリックします。

Windows設定のシステム欄の中にあるバージョン情報をクリック

バージョン情報からCPU、メモリー、Windowsのバージョンを確認できます。

バージョン情報からCPU、メモリー、Windowsのバージョンを確認

Premiere Proのバージョン

スペックは足りているのに、重かったりカクつくことがあります。

Premiere Proはバージョンアップで最新CPUやGPUに最適化されていて、古いバージョンを使用していると最適化されていない場合があります。

機能の追加や不具合の修正もあるので、特にこだわりがなければ最新バージョンにしておきましょう。

現在使用しているバージョンの確認方法

Premiere Proのバージョンを確認する方法を2つ解説します。

Creative Cloud Desktopから確認

Creative Cloud Desktopを起動して、Premiere Proの右側にある詳細をクリックしてください。

Creative Cloud DesktopからPremiere Proのページに移行

Premiere Proのページからバージョンを確認できます。

Premiere Proのページからバージョンを確認
プログラムと機能からから確認

コントロールパネルからプログラムと機能をクリックしてください。

コントロールパネルのプログラムと機能

Adobe Premiere Proの右側からバージョンを確認できます。

プログラムと機能からバージョン確認

使用していないアプリケーションを終了

Premiere Proは重いアプリケーションの1つです。

Adobe製品やその他アプリケーションが複数起動しているとPCが重くなるので、使用していないアプリケーションはすべて閉じ出おきましょう。

PC再起動

アプリケーションを終了しても重い場合は、PCを再起動してください。

再起動することでCPU、GPU、メモリーなどの動作が改善する可能性があります。

ビデオレタリングの最適化

レンダリングと再生時に使う処理を高速化する設定です。

時々、プロジェクト設定がソフトウェア処理(CPU)になっているときがあります。

基本的にグラフィックカード処理(GPU)で処理した方が、より高速に作業できるので変更しておきましょう。

ビデオレンダリングおよび再生

ファイルプロジェクト設定一般をクリックして、プロジェクト設定ウィンドウを開いてください。

プロジェクト設定の一般を選択

プロジェクト設定の一般タブにあるビデオレタリングおよび再生の枠にあるレンダラーを変更します。

レンダラーとは、データを所定の形式に従って処理し描画するシステムのことです。

ビデオレタリングおよび再生の枠にあるレンダラーを変更

レンダラーにCPU(ソフトウェア処理)を使用している場合は、GPU(CUDA/OpenCL/Metal)に変更することでより高速に処理できます。

使用しているOSやGPUによって使用・推奨されている設定があるので、自身のPCパーツに合わせて変更しましょう。

レンダラー項目
OS & GPU推奨/非推奨レンダラー
Windows & NVIDIA GTX/RTXシリーズ推奨Mercury Playback Engine – GPU 高速処理(CUDA)
非推奨Mercury Playback Engine – GPU 高速処理(OpenCL)
Windows & AMD RadeonシリーズMercury Playback Engine – GPU 高速処理(OpenCL) のみ
macOS 推奨Mercury Playback Engine – GPU 高速処理(Metal)
非推奨Mercury Playback Engine – GPU 高速処理(OpenCL)

メモリ配分を変更

Premiere Pro用にメモリーをどれだけ確保するかの設定です。

Premiere Proは大量のファイルやエフェクトを使用すると多くのメモリを使用するため、Adobe公式がメモリの必要システム構成を最小仕様は8GB、推奨仕様は16GB、4K動画を扱う場合は32GBに設定しています。

初めから多くのメモリーを確保して、カクつきやクラッシュが起きないようにしましょう。

Premiere Pro用にメモリーを確保

編集>環境設定>メモリをクリックして、環境設定ウィンドウを開いてください。

メモリ設定

メモリーにある『他のアプリケーション用に確保するRAM』の数値を変更します。

システムに搭載されているRAMの2割から3割程度割り当てるのがおすすめです。

他のアプリケーション用に確保するRAMが少なすぎるとWindowsのシステムが不安定になったり、多すぎるとPremiere Proのパフォーマンスが低下してしまいますので、自身のPCに合わせて変更しましょう。

他のアプリケーション用に確保するRAM

メディアキャッシュの管理と削除

メディアキャッシュという一時ファイルを生成して保存することで、再生または編集する際のパフォーマンスを向上させる設定です。

メディアキャッシュ

メディアキャッシュファイル

メディアキャッシュファイルの保存先と削除方法を解説します。

ここでは、メディアキャッシュの削除方法とやらないほうが良い設定も学んでおきましょう。

メディアキャッシュファイル
推奨しない良い設定

『可能であれば.cfaおよび.pekメディアキャッシュファイルを元のメディアファイルの隣に保存』にを入れないようにしましょう。

素材ファイルを入れてあるフォルダに、キャッシュファイルがどんどん溜まって管理が大変になります。

可能であれば.cfaおよび.pekメディアキャッシュファイルを元のメディアファイルの隣に保存
メディアキャッシュ

メディアキャッシュファイルは、動画やオーディオ素材を読み込むときにより高速にアクセスできるように一時保存されたサポートファイルです。

元となる素材ファイルを一度読み込むと作成されます。

メディアキャッシュファイルは元のファイルと別物ですので、間違えて消さないようにしましょう。

メディアキャッシュファイルのメリットとデメリットついては以下になります。

メリット
デメリット
  • 編集時に自動でファイルが生成されるるため、別途操作はいらない
  • スペックの低いPCでも比較的スムーズに編集できるようになる
  • 大量に素材ファイルを読み込むと、キャッシュファイルがたくさん溜まってしまい管理が大変
  • OSなどが入っているドライブ(一般的にCドライブ)に保存していると、容量を圧迫しPCの速度低下を招く

メディアキャッシュファイルの保存先

『場所:パス』の参照…をクリックして、保存場所を変更してください。

OSが入っているドライブに入れるとPCが重くなる可能性があるので、別のドライブ(HDDやSSD)に保存することをおすすめします。

メディアキャッシュファイルの保存

メディアキャッシュファイルの削除

『メディアキャッシュファイルを削除』の削除…をクリックしてください

メディアキャッシュファイルの削除

『メディアキャッシュファイルを削除』ウィンドウが出てきたら、以下の2つから選択しましょう。

削除方法詳細
未使用のメディアキャッシュファイルを削除未使用のメディアキャッシュを削除してPCのパフォーマンスを改善できます。
作業中にPCが重くなったり、フリーズ・クラッシュしたらこちらを選択しましょう。
すべてのメディアキャッシュファイルの削除メディアキャッシュファイルをすべて削除します。
すべての作業が終了したらこちらを選択しましょう。

最後にOKをクリックすると削除されます。

メディアキャッシュファイルを削除詳細

メディアキャッシュデータベース

『メディアキャッシュデーベース』の参照…をクリックして、保存場所を変更してください。

OSが入っているドライブに入れるとPCが重くなる可能性があるので、別のドライブ(HDDやSSD)に保存することをおすすめします。

メディアキャッシュデータベース
メディアキャッシュデータベース

キャッシュされたファイルの情報を追跡し、管理するための機能です。

キャッシュファイルの効率的な管理とアクセスを可能にすることで、必要なキャッシュファイルを素早く見つけ出し、プレビューやレンダリングを高速化できます。

再生時の解像度を調整

プレビュー再生時の解像度を下げて、PCの負担を減らす設定です。

プレビューの解像度が下がるだけなので、シーケンスで設定した解像度のまま最終レンダリングされます。

再生時の解像度を下げる

プログラムパネルからの左にあるフル画像をクリックしてください。

プレビューの解像度を変更

リストの中にある『フル画像~1/16』から選択しましょう。

フルHD動画は1/4まで、4K動画以上の高解像度な動画は1/16まで選択できます。

リストの中から数値を選択

どれくらい画質が劣化するのか、PCのパフォーマンスは良くなるのか、オリジナルと1/16解像度で試してみたので比較してみましょう。

まずは、プレビュー画質の比較です。

解像度が下がり、画質が劣化しているが分かりますね。

次に、PCのパフォーマンスを確認しましょう。

オリジナル

オリジナル動画再生時のPCパフォーマンス

再生時の解像度1/16

再生時の解像度1/16適用時のPCパフォーマンス

CPUが66.2%から25.3%の約62%減、メモリが11,522.3MBから8,134.2MBの約29%減になり、どちらもPCの負担が大幅に減っていることが分かります。

※所有PC、データ、編集環境などによってPCのパフォーマンスは変化します。

PC負担は大幅に減りますが、画質が著しく低下して見にくくなるので、重い作業する時に適宜変更しながら使いましょう。

プロキシの活用

容量の重いファイルの代わりに『プロキシファイル』という軽量のファイルを生成し、オリジナルの動画ファイルの代わりに編集できる設定です。

低スペックPCや4K以上の高解像度の動画を編集する場合によく使われます。

プロキシにはいくつかのメリットとデメリットがあるので、以下の表で確認してみましょう。

メリット
デメリット
  • PCの負荷が少なくなり快適に編集できる
  • プロキシファイルは作業中のみ使われるので、最終レンダリングの際に画質の劣化がない
  • プレビューの画質が低下する
  • PC容量を圧迫する
  • サイズの大きい動画だとエンコードに時間がかかる

いくつかデメリットはありますがプロキシは最初にファイルを生成するだけで、PCの負担が大幅に減り、編集作業が快適になるのでメリットの方が大きいです。

特に4K以上の動画編集をする際に効果を実感できると思います。

エンコードする時間はかかりますが、それを除いてもプロキシを使う価値はあると思いますので、ぜひ試してみてください。

プロキシの詳しい解説すると長くなるので、下にある記事をご参照ください。

Tips:再生時の解像度とプロキシの併用について

『再生時の解像度』と『プロキシ』の併用はあまりおすすめしていません。

どちらもPCの負担を下げる機能ですが、併用してもPCのパフォーマンスにそこまで変化がなく、著しく解像が下がるだけで編集しにくくなるからです。

例として、プロキシのみ適用した場合と、再生時の解像度1/16とプロキシを併用した場合を見てみましょう。

※プロキシの設定はフレームサイズ・1280×720、プリセット・ProRes QuickTimeを使用。

まずは、どのくらいプレビュー画質が下がるのか見てみましょう。

ディティールが潰れて入れ、文字や色などが見にくくなっていますね。

次に、どれくらいPCのパフォーマンスが上がるかを見てみましょう。

プロキシ(ProRes・1280×720)

プロキシ動画再生時のPCパフォーマンス

プロキシ(ProRes・1280×720)・再生時の解像度1/16

プロキシと再生時の解像度1/16適用時のPCパフォーマンス

CPUが17.5%から15.3%の約13%減、メモリーが2,215.2MBから1,885.5MBの約15%減になり、PCの負担は減りました。

※所有PC、データ、編集環境などによってPCのパフォーマンスは変化します。

比較対象として4Kオリジナル動画とプロキシのみを適用した場合はどうなるでしょうか。

プレビュー画質を見てみましょう。

画質の劣化はありますが、気になるほどではありません。

次に、PCのパフォーマンスを見てみましょう。

オリジナル

オリジナル動画再生時のPCパフォーマンス

プロキシ(ProRes・1280×720)

プロキシ動画再生時のPCパフォーマンス

CPUが66.2%から17.5%で約74%減、メモリが11,522.3MBから2,215.2で約81%減になり、PCの負担が大幅に減りました。

※所有PC、データ、編集環境などによってPCのパフォーマンスは変化します。

このように、再生時の解像度とプロキシの併用は、プロシキのみを適用した場合ほどPCのパフォーマンスに劇的な変化はなく、画質が著しく低下するだけで恩恵が少ないです。

プロキシまたは再生時の解像度を使ってもPCの動作が重くなったときのみ併用しましょう。


以上で、解説を終わります。

まとめ

Premiere Proで動作が重い、フリーズ、クラッシュする時にやるべき対策を解説しました。

動作の重いのは、特にスペック不足のPCを使用している場合によく起きる問題です。

しかし、PCを買い替える前に以下の5つの対策で改善することができます。

動作を改善する5つの対策
  1. ビデオレタリングの設定:レンダリングをGPUに変更して処理を高速化
  2. メモリ配分を変更:メモリー配分を変更してパフォーマンスを安定化
  3. メディアキャッシュの管理と削除:キャッシュファイルを管理・削除してパフォーマンスを向上
  4. 再生時の解像度を調整:プレビュー解像度を下げて、再生パフォーマンスを向上
  5. プロキシの活用:プロキシを活用してPCの負担を軽減

以上の対策は、誰でもできる方法なので一度試してみてください。

Premiere Proのパフォーマンスを最大限に引き出して、動画編集を快適なものにしていきましょう。

最後まで記事をご覧いただきありがとうございました

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