【After Effects】ロトブラシ3.0を使って動く被写体を奇麗に切り抜こう
どうも、YUです。
今回は、After Effectsのロトブラシ3.0を使って動画の一部を奇麗に切り抜く方法を解説します。
- ロトブラシの使い方を知りたい
- 次世代のロトブラシ(3.0)を使ってみたい
以上のような悩みを解決できる記事になっています。
1フレームずつ切り抜き作業したり、複雑な切り抜きできれいに仕上がらなかったり、作業時間もかかって苦労した経験はありませんか。
特に、グリーンバックがない場合だと、切り抜きは大変ですよね。
そんな時は、After Effectsのロトブラシ3.0を使ってみましょう。
誰でも簡単に、素早く綺麗に切る抜くことができます。
それでは、やっていきましょう。
動画が再生できない方はこちらをクリックして画像でご覧ください
ロトブラシ3.0とは
ロトブラシは、動画内の被写体を選択して、背景と切り離すためのツールです。
メジャーアップデート毎に高機能化しており、After Effects 24.0から使えるようになったロトブラシ3.0では、新しい AI モデルを搭載し、性能が大幅にアップしています。
具体的には、被写体を選択および追跡する際の精度が向上し、重なり合う手足、毛、透明部分などの複雑なパーツを素早く簡単に切り抜くことができるようになりました。
使い方
ロトブラシの使い方を、以下の6つにステップに分けて解説します。
切り抜く被写体を選択
まず初めに、素材となる動画レイヤーをクリックして、レイヤーパネルに表示させてください。
次に、ツールバーにあるロトブラシツールを選択します。
ALT+Wでも切り替えが可能です。
レイヤーパネルをクリックすると、マウスカーソルが緑色のに変わります。
しかし、このままだとブラシサイズが小さかったり、大きかったりするので適切なサイズに変更しましょう。
変更方法は、『CTRL/Command+』と『ブラシパネル』の2つあるので、自分に合った方法で変更してください。
CTRL/Command+の左クリックをホールドしながら、上下左右に移動させることで、ブラシサイズを変更できます。
『上・右に移動で大きく』、『下・左に移動で小さく』することが可能です。
切り抜きたい被写体の内側をドラッグしながら、なぞって対象物を検出してください。
この時、丁寧になぞらずザックリで大丈夫です。
ロトブラシツールを使用する際は、なるべく被写体がブレていない・見切れていない、背景と同化していないフレームで適用しましょう。
選択が終わると、被写体の周りにはマゼンタの線で囲まれ、エフェクトコントロールパネルには『ロトブラシとエッジを調整』が追加されます。
ここまでできれば、切り抜き自体は完了です。
しかし、一部切り抜きがうまくできていな部分があるので、次のステップで修正しましょう。
選択範囲を修正
切り抜きたい被写体は選択できましたが、以下の画像のように、うまく切り取れていなかったり、選択されていない部分があるかと思います。
選択されていな部分は、最初のステップで被写体を選択したときのように、ドラッグしてなぞることで修正しましょう。
うまく切り取れていない部分は、ALT/Optionを押しながら背景をなぞり、選択範囲の一部を削除してください。
背景の部分を削除すると、選択範囲の境界線が被写体に合わせて修正されます。
最後に、気になる部分を修正したら、エフェクトコントロールパネルでロトブラシマットの数値を変更して微調整しましょう。
詳細は以下のテーブルで解説します。
項目 | 詳細 |
---|---|
ぼかし | 対象の被写体と背景とのなじみを良くします。 |
コントラスト | 対象の被写体と背景との境界線をよりシャープにします。 |
エッジをシフト | 境界線の位置を内側または外側に移動させます。 |
エッジのガタつきを軽減 | 動きの多いシーンで適用すると、別のフレームで境界線のガタつきを軽減できます |
以下の画像のように、被写体の選択範囲が修正できたら次のステップに進みましょう。
選択範囲の境界線を調整
レイヤーパネルでアルファの表示を切り替えてみると、境界線が不自然になっている場合があります。
特に、人間の髪の毛や動物を切り取る場合は、不自然になることが多いです。
その際は、エッジを調整ツールを使って、境界線をなじませてみましょう。
エッジを調整ツールは、ロトブラシツールと同じ場所のツールバーから選択可能です。
選択すると、ブラシが緑色から青色に変化します。
こちらもブラシサイズを調整しておきましょう。
使い方は、ロトブラシツールで選択されたマゼンタの境界線をなぞるだけです。
以下の画像のように、境界線がぼやけて少し柔らかくなります。
今回の素材だとわかりにくかったので、別の素材でわかりやすいものを掲載しておきました。
最後に、気になる部分を修正したら、エフェクトコントロールパネルで数値を変更して微調整しましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
ぼかし | 対象の被写体と背景とのなじみを良くします。 |
コントラスト | 対象の被写体と背景との境界線をよりシャープにします。 |
エッジをシフト | 境界線の位置を内側または外側に移動させます。 |
エッジのガタつきを軽減 | 動きの多いシーンで適用すると、別のフレームで境界線のガタつきを軽減できます |
特に、エッジのガタつきを軽減を詳細に変更し、数値を上げることで、次フレーム以降の切り抜き精度を上げることが可能です。
さらに、モーションブラーを使用にを入れることで、エッジ部分に動きのぼかしを自動的に適用し、動きのあるシーンで被写体のエッジがより自然に見えるようになります。
しかし、これらの設定はPCの負担も大きくなり、処理時間も増えるので、用途に合わせて変更しましょう。
別フレームの被写体の選択範囲を自動処理
ロトブラシは1フレームのみ設定するだけで、自動的に処理してくれるので便利です。
しかも、操作方法は簡単でSpaceを押すと処理が開始されます。
フレームを一枚ずつ処理する場合は、CTRL/Command+←→を押してください。
処理が完了すると、緑色のバーが少しずつ進んでいきます。
すべてのフレームが処理されるまで待ちましょう。
以下の画像のように、緑のバーが止まれば完了です。
問題のあるフレームを修正
自動処理は便利ですが、以下の画像のように、完璧に被写体を選択できるわけではありません。
その際は、ロトブラシツールまたはエッジを調整ツールで修正しましょう。
特に、エッジを調整ツールを使っていると被写体が選択されているように見えて、境界線がうまく切り取れていない場合がありますので注意してください。
ロトブラシツールと同じようにALT/Optionを押しながら背景をなぞることで、選択範囲の一部を削除できます。
修正したら再度、Spaceを押して処理を開始してください。
すべてのフレームで修正が完了したら、次にステップに進みます。
切り抜き状態をフリーズ(固定)
フリーズとは、ロトブラシツールを使用して選択範囲を作成した際、その切り抜き状態をフリーズ(固定)する機能
フリーズすると再編集や調整の際に、再計算されることなくスムーズに作業を進めることができるので、PCの負担軽減、パフォーマンス・作業効率の向上が見込めます。
使い方はとても簡単で、レイヤーパネルの下右端にあるフリーズをクリックするだけです。
処理中は以下の画像のようにダイアログが表示され、青色のバーが少しずつ進んでいきます。
バーがすべて青色に変化したら、フリーズ完了です。
もし、ロトブラシを修正したい場合は、フリーズをもう一度クリックすることでフリーズの解除が可能です。
コンポジションパネルで確認すると、対象のオブジェクトが切り抜かれていることが分かると思います。
これで、ロトブラシを使った切り抜き作業は終了です。
後は、画像や動画をレイヤーに配置して、合成してみましょう。
以上で、解説を終わります。
まとめ
今回は、After Effectsのロトブラシ3.0を使って動画の一部を奇麗に切り抜く方法について解説しました。
ロトブラシは、動画内の被写体を選択して、背景と切り離すためのツールです。
メジャーアップデート毎に高機能化していますが、After Effects 24.0から使えるようになったロトブラシ3.0では、新しい AI モデルを搭載し性能が大幅にアップしました。
グリーンバックを使えば、Premiere Proもきれいに切り抜くことはできますが、ない時は1フレームずるマスクを使って切り抜かなければならないので、時間が掛かってしまいます。
After Effectsのロトブラシ3.0なら、グリーンバックが無くても綺麗で簡単に切る抜くことができるので、ぜひ使ってみましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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